住宅ローンでよく聞かれる項目|住宅性能評価・長期優良住宅・省エネ証明

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住宅ローンでよく聞かれること|審査・必要書類・性能証明(住宅性能評価/長期優良etc)

不動産購入のご相談を受けていると、住宅ローンの話題は「金利」だけでなく、審査で何を確認されるか、そしてどんな書類が必要かまでセットで質問されることがほとんどです。

この記事では、初心者の方が迷いやすいポイントを「よく聞かれる順」に整理し、最後に住宅性能評価・長期優良住宅・省エネ適合の証明(=性能書類)もまとめます。

この記事の前提

  • 住宅ローンの審査基準は金融機関ごとに異なります。ここでは「一般に確認されやすい項目」と「準備の実務」を扱います。
  • 制度は改正が入るため、国交省・国税庁・住宅金融支援機構など一次情報へのリンクを併記します。

「よく聞かれること」8カテゴリ

1. 年収・勤続年数・雇用形態

「返せるか(収入の安定性)」の確認です。勤続が短い、転職予定がある、雇用形態が特殊(自営・役員など)の場合、見られ方が変わります。

ワンポイント:物件案内の段階で、ローンの話が出るなら「勤続・雇用形態・昨年年収」を先に聞いておくと、後の手戻りが減ります。

注意点:事前審査後に転職・独立をすると本審査で条件が変わることがあるため、予定があるなら最初に共有してもらいます。

2. 他の借入・信用情報(車ローン、カード、携帯分割など)

「既に毎月いくら返しているか」を合算して見ます。カードローンやリボ、携帯端末の分割も影響することがあります。

ワンポイント:お客様が把握していないことがあるので、「毎月の返済が発生しているもの」を棚卸ししてもらうと、借入可能額のズレが減ります。

注意点:事前審査の申告漏れは本審査で不利になりやすいので、少額でも最初から申告してもらいます。

3. 返済負担率(年収に対する返済割合)

年収に対して、住宅ローン+他の借入の年間返済が重すぎないかの指標です。

ワンポイント:「物件価格」から逆算せず、先に月返済の上限感を掴むと紹介物件の精度が上がります(購入後の満足度にも直結します)。

注意点:ボーナス払い前提で組むと、家計の安全余裕が小さくなりやすいので、提案時に注意喚起します。

4. 団信(団体信用生命保険)と健康状態

多くの住宅ローンは団信加入が前提で、告知(健康状態の申告)が必要です。

ワンポイント:団信がネックになると、物件の話を進めても最後に止まります。ローン相談が進む段階で「告知が不安か」を早めに確認します。

注意点:健康面の不安がある場合、ワイド団信等の選択肢があるかを金融機関側に早めに当てます。

5. 自己資金(頭金・諸費用)と資金の出どころ

「頭金」「諸費用」「引越し等」まで含めて資金計画が成立するかを確認します。贈与の有無もここに入ります。

ワンポイント:八ヶ岳エリアは物件により、追加工事(伐採・整地・給排水・道路関係)が発生しやすいので、諸費用枠を厚めに見積もる提案が安全です。

注意点:「ローンは通ったが諸費用が足りない」は起きやすいので、資金計画表は最初に作ります。

6. 物件の担保評価(価格=担保評価ではない)

金融機関は「いざという時に担保として成立するか」を見ます。売買価格そのままが評価されるとは限りません。

ワンポイント:エリア特性で評価が割れやすいので、早い段階で「担保評価が弱そうなポイント(接道・権利・インフラ等)」を洗い出し、資料を整えます。

注意点:境界未確定、接道条件が弱い、権利関係が複雑などは融資条件に影響し得るため、重説・契約前に論点化します。

7. 申込の流れ(事前審査→売買契約→本審査)

事前審査は「方向性の確認」、本審査は「最終確定」です。提出書類も増えます。

ワンポイント:売買契約の前に事前審査で借入見込みを固めると、安全にスケジュールが組めます。特に繁忙期は段取りが重要です。

注意点:事前審査の申告と本審査で情報が変わると説明コストが増えます。最初から正確に揃える運用が正解です。

8. 必要書類(属性別:給与/自営/役員)

給与所得者と自営業・法人役員では、収入確認の考え方が違うため提出物が変わります。

ワンポイント:書類の揃え方でスピードが決まります。特に自営・役員は「決算・申告・納税」を早めに準備できると本審査が進みやすいです。

注意点:同じ“年収”でも見られる指標が異なることがあるため、金融機関に合わせた出し方で進めます。

性能に関する書類(住宅性能評価・長期優良住宅・省エネ適合の証明)

上の8項目は「人(返済能力)・物件(担保)・手続き(書類)」の基本です。加えて、ローン商品や税制(住宅ローン減税など)では、住宅の性能を“書類で”示す場面があります。

ローン商品や税制(住宅ローン減税など)では、住宅の性能を“書類で”示す場面があります。ここでお客様から質問が集中するのが次の3つです。

1) 住宅性能評価書(設計/建設)

国交省は、住宅性能表示制度(設計住宅性能評価書・建設住宅性能評価書)を案内しています。

出典(国交省PDF):
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001970909.pdf

2) 長期優良住宅の認定

長期優良住宅は、所管行政庁が基準に基づき認定する制度です。認定はスケジュールが重要になるため、検討している場合は早い段階で設計者・施工会社と整理します。

出典(国交省):
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html

3) 省エネ基準への適合を示す書類(住宅ローン減税など)

国交省は、住宅ローン減税について、入居年などの条件に応じて省エネ基準への適合が原則として必要になる旨を示しています。提出書類の案内も国交省ページにまとまっています。

出典(国交省):
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

また国税庁は、手続きによってはBELS評価書が要件に該当しない旨を明記しています。目的(減税/別制度)ごとに、必要な“提出書類”を先に確定させます。

出典(国税庁PDF):
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/pdf/033.pdf

(参考)フラット35/フラット35Sを使うなら早めに確認

住宅金融支援機構は、フラット35Sについて技術基準・手続き(検査等)を案内しています。可能性がある場合は、売買の早い段階で条件をすり合わせると手戻りが減ります。

出典(住宅金融支援機構):
https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35s/index.html

FAQ(よくある質問)

Q1. 事前審査と本審査、何が違う?

一般に、本審査は提出書類が増え、団信の手続きや物件書類の確認が深くなります。事前審査の申告と齟齬が出ないよう、最初に情報を揃えます。

Q2. 自営業だとローンは不利?

金融機関によりますが、確定申告書や納税証明書など、収入の確認書類が給与所得者と異なります。必要書類を早めに揃えるのが実務的です。

Q3. 団信に入れないと住宅ローンは組めない?

商品によります。一般団信が条件のケースもありますが、金融機関によってはワイド団信など別の選択肢が用意されています。まずは告知内容と商品条件の整理が先です。

Q4. 住宅ローン減税のために「省エネの証明」は必要?

国交省は、入居年などの条件に応じて省エネ基準への適合が原則必要になる旨を示しています。必要書類は国交省の案内で確認できます。

まとめ:質問は「審査(人)」「担保(物件)」「手続き(書類)」に分けると説明が速い

住宅ローンの質問は、①申込者(収入・信用・健康)②物件(担保評価)③手続き(必要書類)に分けると整理できます。

性能書類(住宅性能評価/長期優良/省エネ証明)は、ローン商品や税制と絡む場面があるため、早めに「取れる/取れない」の見通しを立てるのが実務的です。