ハザードマップ

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ハザードマップ(北杜市WEB版)の見方

この記事で扱う範囲:北杜市が公開している「WEB版ハザードマップ」を不動産購入の検討前に確認する手順を整理します。特定の場所や個別物件についての安全性判断・適法性判断は各物件によります。


最初に知っておきたい注意点

  • WEB版ハザードマップのデータは公開用に概略化されており、誤差がある場合があります。
  • 一定の条件に基づく予測であり、実際の災害時は想定を超える可能性があります。
  • 背景地図等は、土地の利用や境界を示すものではありません。
  • 北杜市は「WEB版洪水ハザードマップの情報だけで各家屋等の状況を判断することは適切ではない」旨を注意喚起しており、不動産取引の重要事項説明に関しては、警戒区域等を指定する山梨県への確認を促しています。

※上記は、北杜市の「利用条件(同意画面)」および「北杜市WEB版ハザードマップ」に示されている注意事項を要約しています。


5分でできる:北杜市WEB版ハザードマップの見方(手順)

Step 1|Webハザードマップページに入る

まずは北杜市の案内ページから入る。

Step 2|利用条件(注意事項)を確認してから地図を見る

利用条件(注意事項)が表示されます。データの性質(概略化・想定条件・境界ではない等)が明記されています。

Step 3|見たい災害を選ぶ

  • 土砂災害(がけ崩れ・土石流など)
  • 洪水(河川洪水/ため池 など)
  • ページ:北杜市WEB版ハザードマップ

    Step 4|対象の場所を地図上で特定する

    地図を拡大縮小し、周辺の目印(主要道路、河川、公共施設など)を手掛かりに、対象地点周辺を特定します。

    ※操作方法や表示仕様は端末・ブラウザ等で異なる場合があります(推奨ブラウザ等は利用条件に記載)。

    Step 5|凡例(色・区分)を確認して「深さ・範囲」を読む

    浸水想定区域は「範囲」と「深さ」等の情報として示されます。まずは色の意味(凡例)を確認し、地点周辺でどの情報が重なっているかを見ます。

    ※浸水想定区域の考え方(想定最大規模・計画規模等)は利用条件に整理されています。

    Step 6|避難場所・避難所をセットで確認する(平常時の準備)

    地図でリスク情報を見たら、次は「避難先」の候補を確認します(避難所の開設状況や順番は状況で変わり得る旨、北杜市が注意喚起しています)。


    金額面でも確認したい点

    1)住宅ローン減税:区域によっては「新築」が対象外になる扱いがあります

    国土交通省は、住宅ローン減税の制度整理の中で、令和10年(2028年)以降に入居する場合土砂災害等の「災害レッドゾーン」内の新築住宅は適用対象外(※建替え・既存住宅・リフォームは適用対象)とする旨を示しています。

    同ページで示される「災害レッドゾーン」の例:土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域 等。

    ポイントは、ハザードマップの着色(想定)そのものというより、法令に基づく区域指定が関係するケースがあることです。

    2)法令指定区域は「建て方(構造)」が条件になり、コストに影響し得ます

    山梨県は、土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域について、居室を有する建築物は(都市計画区域外であっても)建築確認の制度が適用され、構造が基準を満たすことの確認が必要となる旨を整理しています。

    また、国土交通省は、建築基準法第39条に基づく災害危険区域について、地方公共団体が条例で指定し、住居の用に供する建築の禁止等の制限を定め得る制度であることを説明しています。

    ※具体的な要否・必要な対策の内容・費用は、区域種別(指定の有無)と計画内容によって変わります。検討段階では「ハザードマップで入口確認」→「該当しそうなら指定機関へ確認」の順で整理するのがおすすめです。

    3)相続税評価:土砂災害特別警戒区域は、評価上の扱いが整理されています

    国税庁は、「土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価」について、財産評価基本通達の枠組みの中で扱いを整理しています(相続税・贈与税の評価の話であり、売買価格や固定資産税そのものを直接決めるものではありません)。


    よくある質問(FAQ)

    Q1. ハザードマップで色が付いていたら「住めない」のでしょうか?

    A. いいえ。ハザードマップの色は、災害時に浸水や土砂災害などが起こり得る範囲・程度(想定)を示します。色が付く=直ちに居住不可、という意味ではありません。ただし、暮らし方(避難動線・備え)や建物計画を含めて検討材料になります。

    Q2. 色が付いていない場所なら安全ですか?

    A. 「必ず安全」とは言えません。ハザードマップは一定条件の想定に基づくため、想定外の災害が起こる可能性はあります。色の有無だけで結論を出さず、周辺地形・アクセス・避難先なども合わせて確認します。

    Q3. 北杜市で見ておくべき災害は「どれ」からですか?

    A. 相談が多いのは、まず「土砂災害」と「洪水(河川・ため池等)」の2系統です。候補地が絞れたら、周辺の地形や道路の通行止めリスクも含めて現地感覚に落とします。

    Q4. 浸水の“深さ”はどこを見れば良いですか?

    A. 基本は凡例(色の区分)を確認し、対象地点の色がどの区分に当たるかを読みます。色が重なって見づらい場合は、表示するレイヤー(災害種別)を一つずつ切り替えると整理しやすいです。

    Q5. 重要事項説明(重説)では、ハザードマップの何を説明するのですか?

    A. 実務では「対象物件がハザードマップ上でどこに位置するか」を説明したうえで、該当する災害種別(洪水・内水・高潮など)を整理します。

    Q6. 「災害レッドゾーン」「警戒区域」と、ハザードマップの色は同じ意味ですか?

    A. 同じではありません。ハザードマップの着色は“想定”で、法令に基づく「区域指定(例:特別警戒区域など)」は別枠です。税制や建築条件に影響が出る議論は、基本的にこの“区域指定”の有無に寄ります。

    Q7. 新築をする場合、金額面で不利になることはありますか?

    A. 可能性はあります。たとえば、区域指定の種類によっては「建て方(構造・配置等)に条件がつく」ことで設計・工事コストに影響することがあります。また税制(住宅ローン減税など)も、一定の区域指定に該当するかで取り扱いが分かれるケースがあります。検討段階では、区域指定の有無を早めに確定させるのがポイントです。

    Q8. 住宅ローン審査や担保評価に影響しますか?

    A. 金融機関や物件条件によって扱いが分かれます。ハザード情報や区域指定の有無を確認したうえで、銀行に「評価・保険・融資条件に影響があるか」を早めに照会することがおすすめです。

    Q9. 火災保険(地震保険含む)の保険料は上がりますか?

    A. 一律に断定はできませんが、保険は立地条件や補償内容で保険料・引受条件が変わることがあります。購入前に、候補地(住所・地番周辺)で概算見積りを取っておくことが無難です。

    Q10. “避難所が近い”なら安心ですか?

    A. 近いこと自体は利点ですが、「そこへ安全に到達できるか」「開設される想定か」「水害時に使える種類か」までセットで確認します。北杜市の公開情報(避難所・緊急避難場所の整理)と合わせて読みます。

    Q11. 現地で追加で見ておくべきポイントはありますか?

    A. あります。たとえば、周辺の沢・谷地形、擁壁や法面の状態、道路の幅員・除雪の入り方、雨天時の水の集まり方、夜間の避難動線(街灯)などは、地図だけでは判断しづらい点です。候補地が本命になった段階で、雨の日や雪の日の動き方もイメージしておくと判断が現実的になります。