山梨県北杜市における「開発行為」とは
北杜市をはじめ、八ヶ岳エリアでは1,000坪を超える比較的大きな土地が市場に出ることがあります。
そうした土地を検討する際、よく頂くご相談が
「これは開発行為にあたりますか?」
「県や市の条例が関係しますか?」
というものです。
本記事では、
山梨県・北杜市における「開発行為」の考え方と、実務上どんな作業や費用が発生する可能性があるのかを、
不動産の視点から整理します。
開発行為とは何か(法律上の考え方)
一般的に「開発行為」とは、建物を建てることそのものではなく、
土地の区画形質を変更する行為を指します。
具体的には、以下のような行為が該当する可能性があります。
・土地を造成する(切土・盛土)
・林地や原野を宅地化する
・複数区画に分割する
・道路を新設・付け替えする
・排水計画を新たに設ける
etc
つまり、「建物を1棟建てるかどうか」よりも土地をどう変えるかが判断基準になります。
山梨県・北杜市で開発行為が問題になりやすいケース
北杜市では、市域が広く自然条件も多様なため、
特に次のようなケースで「開発行為」の確認が必要になります。
① 敷地面積が大きい土地(例:1,000㎡超・1,000坪超)
面積が大きくなるほど、
・複数棟建築
・区画分割
・道路・インフラ整備
といった計画が想定されやすくなり、
開発行為に該当するかどうかの確認が不可欠になります。
② 山林・原野・農地を含む土地
・伐採や造成が必要
・もともと宅地ではない土地
この場合は、
・開発許可の要否
・林地開発・農地転用の有無
・関係法令の整理
を個別に積み上げて確認する必要があります。
③ 道路・上下水道が未整備の土地
・私道のみ
・接道条件が不明確
・上下水道未整備(合併浄化槽・井戸想定)
こうした場合も土地利用の方法によっては開発行為扱いになる可能性があります。
開発行為に該当した場合、何が必要になるのか
仮に「開発行為に該当する」と判断された場合、一般的には以下のような作業が必要になります。
① 事前協議・事前相談
・山梨県(または北杜市)への事前相談
・計画内容の整理
・法令・条例の該当確認
→この段階で「できる/できない」の大枠が見えることが多いです。
② 設計・計画図書の作成
・土地利用計画図
・造成計画
・排水計画
・道路計画(必要な場合)
※建築士・測量士・造成業者などが関与します。
③ 各種申請・許可
・開発許可申請
・林地開発許可(該当する場合)
・農地転用(該当する場合)
→土地の性格によって必要な申請は変わります。
気になる費用感の目安
開発行為に関する費用は土地条件・規模・計画内容によって大きく変動します。
あくまで一般的な目安としては、
・事前調査・設計費:数十万円〜
・測量費:数十万円〜
・造成・インフラ工事:数百万円〜数千万円
・申請・許可関連費用:数十万円〜
→「いくらかかるか」よりも、「どこまでやる計画か」で桁が変わると考えていただく方が現実的です。
よくある誤解
「建物を1棟建てるだけなら関係ない?」
→ 必ずしもそうではありません。
土地の状態や造成内容によっては、
1棟でも開発行為に該当する場合があります。
「大きな土地は必ず開発許可が必要?」
→ 一概には言えません。
現況が宅地か
どこまで手を加えるか
分割するかどうか
によって判断が分かれます。
大切なのは「計画の初期段階で確認すること」
土地を買ってから考えるよりも、考えてから土地を選ぶ方が、結果的にリスクが少なくなります。
特に面積の大きな土地ほど、最初の整理がその後の自由度を左右します。
なお、北杜市で土地を検討する際は、開発行為だけでなく、
エリアごとの環境や不動産の性格を整理して考えることも重要です。
清里・小淵沢・長坂・大泉・白州それぞれの特徴については、
以下の記事で全体像をまとめています。
まとめ
・開発行為とは「土地の形を変えること」
・面積が大きい土地ほど確認が必要
・必要な手続き・費用は計画次第で大きく変わる
・初期段階の事前相談が最も重要